暗号資産関連のニュースやチャットなどを見ていると、ハードフォークやソフトフォークといった言葉をよく見かけるかと思います。

今回の記事ではハードフォークとソフトフォークの違いについて、ビットコインとビットコインキャッシュを例に、暗号資産初心者の方にもわかりやすく解説していきたいと思います。

ビットコインキャッシュに関してはこちらの記事をご覧ください。

ハードフォークとソフトフォークの共通点

まず初めに、ハードフォークとソフトフォークの違いを理解するために、それぞれの共通点について見ていきましょう。

フォークとは暗号資産の仕様変更の手段

特にハードフォークに多い間違いとして、コインを分裂させるためのハードフォークだと解釈されていることが多いですが、それは誤りです。

ハードフォークもソフトフォークも暗号資産の仕様変更をするための手段としてあるもので、ハードフォークの場合はこれまで暗号資産に用いていた仕様と互換性を持たせることなく仕様変更するために分裂を伴う、と認識しておけばいいでしょう。

ソフトフォークの場合は、ハードフォークと違ってこれまで暗号資産に用いていた仕様と互換性を持たせますので、分裂を伴わない(分裂させる必要がない)ということです。

この表現が難しい方もいると思いますので、後ほどさらに解説していきますが、とりあえず両者とも仕様変更をするという点で共通しています。

仕様変更がなぜ必要なのか

そもそもなぜ仕様変更が必要なのか、ということですが、基本的には何らかの問題解決のために仕様変更が必要となることがほとんどです。

ビットコインもハードフォークが行われた暗号資産ですが、ビットコインの場合はスケーラビリティ問題の解決策としてハードフォークが行われ、それによって生まれた通貨がビットコインキャッシュです。

スケーラビリティ問題とは一体何かを簡単に説明すると、暗号資産の取引が増加することによって、暗号資産取引の処理が追いついかなくなり、決済速度の低下や手数料の高騰などが起きるなどの問題が発生することを意味します。

コンビニやスーパのレジなどで混み合っていて、お客さんを捌ききれずに列をなしている状態です。

個人間で早く・安く・安全に取引するための決済手段になることを目的にして生まれた暗号資産のスケーラビリティ問題は改善しなければならず、改善するためには仕様変更(ハードorソフトフォーク)が必要になるわけです。

ビットコインのスケーラビリティ問題の原因と解決策

ビットコインのスケーラビリティ問題の原因

ビットコインのスケーラビリティ問題の原因を簡単に説明すると、ブロックの容量が不足していたからです。

ビットコインはブロックサイズが1MBですが、この1MBの中に詰め込める以上の取引情報があると処理しきれなくなります。

イメージとしては1つのレジでたくさんのお客さんを捌かなければいけない状態です。

どれほど魅力的な商品を陳列しているお店でも、レジで長時間待たされていては客足は離れてしまいます。

スケーラビリティ問題とはレジ待ちの状態で、この状態は早急に改善しなければなりません。

このような状況になっている原因は大きく分けて以下の2つです。

  • レジが一台しかないこと(ブロック容量が1MBしかないこと)
  • 一度の買い物量が多いこと(取引情報が多い)

では次に、スケーラビリティ問題の解決策について解説します。

ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策

ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策は大きく分けて、以下の2つの方法がありました。

  • レジの数を増やす(ブロック容量を大きくする)
  • 一度の買い物量を減らす(取引情報を圧縮する)

この2つの解決策のうち、ビットコインでは後者を採用することとなりましたが、開発者グループと中国の大手マイナーグループで意見が食い違い、最終的にはそれぞれが独自路線を歩むことになりました。

その時に誕生したのがビットコインキャッシュです。

以下、それぞれの暗号資産の解決策のイメージです。

ビットコイン

ブロックの容量を増やすことなく(レジの数を増やすことなく)、取引情報を圧縮することで(お客さんのカートの中身を減らすことで)、一度に処理することができる取引情報数を増やし(一台のレジで捌けるお客さんの数を増やし)、スケーラビリティ問題を解決する。

ビットコインキャッシュ

取引情報に手を加えることなく、ブロック容量を大きくする(レジの数を増やす)ことによって、一度にたくさんの取引情報の処理(お客さんのレジ対応)が可能となり、スケーラビリティ問題(レジ待ち問題)を解決する。

ビットコインキャッシュはマイナーの都合で誕生した?

ビットコインキャッシュはビットコインをハードフォークしたことによって誕生した暗号資産ですが、中国などの大手マイナー企業などの都合によって生まれたということもできます。

ビットコインは取引情報を圧縮するプログラムを導入することによって、スケーラビリティ問題の解決を目指したのですが、大手マイナーグループはこの解決策を良しとしませんでした。

理由はいくつかありますが、最大の理由は後者の解決策を採用すると、マイナーたちが有する設備でマイニングすることに不都合が生じるからだと言われています。

マイナーたちはマイニング(取引の承認)を行うことによって、利益を生み出していますので、ビットコインの仕様変更によってマイニングすることができなくなると困るわけですね。

開発者側とマイナー側の折り合いがつかなかった結果、マイナーたちはビットコインからハードフォークした新たな暗号資産を作り、独自路線を歩みました。

その際に誕生した暗号資産がビットコインキャッシュです。

ハードフォークとソフトフォークの違い

ハードフォークとソフトフォークはそれぞれ、暗号資産の仕様変更をするという点で共通点がありますが、内容は大きく異なります。

まずはハードフォークについて解説していきます。

ハードフォークは新規セーブデータの作成

ハードフォークとは、これまでの暗号資産と互換性を持たせずに仕様変更をするために、元となる暗号資産から分岐させる形で新たな暗号資産を作り出し、これまでと全く別の暗号資産としてスケーラビリティ問題を改善することです。

ビットコインキャッシュは先ほど説明した通り、ビットコインが自分たちの理想とする仕様変更を行わないので、ビットコインから分岐させてビットコインキャッシュを誕生させることで、自分たちの理想とする方法で仕様変更をした通貨を作りました。

ビットコインキャッシュは、ビットコインから分岐して誕生した暗号資産ですので、基本的な作りはビットコインと似ています。

ご兄弟などとテレビゲームのセーブデータを使い分けていた方であれば、同じタイトルのゲームでそれぞれが別々のセーブデータを作成して楽しんでいる状態をイメージしてもらえればいいかと思います。

これらのセーブデータは独立して存在するので、それぞれが互換性を持たず、全く別物のデータとなります。

ソフトフォークとは既存のセーブデータの上書き

ビットコインではSegwitと言われる、取引情報を圧縮する仕組みを導入することで、スケーラビリティ問題の解決を目指しました。

この方法はビットコインキャッシュのハードフォークとは違い、ソフトフォークと言われる方法で、ビットコインから分岐した新しい通貨は誕生しません。

しかし、分岐して新しい暗号資産が誕生しないだけで、ソフトフォークは分岐を伴います。

ソフトフォークでは分岐することによって発生した新しい仕様が過半数以上の支持を集めることで収束し、仕様変更が完了します。

ハードフォークとは違い、一つのセーブデータが仕様変更によって上書きされることで新しいルールが適用されます。

これらが大まかなハードフォークとソフトフォークの違いになります。

今回の記事のまとめ

今回の記事では暗号資産のハードフォークとソフトフォークの違いについて、初心者の方にもわかりやすいように解説してみました。

難しい言葉は極力使わず、管理人の中でイメージしやすい例えを使って表現したつもりですので、少しでも多くの方の役に立てば幸いです。

  • フォークとは仕様変更のことで、ハードフォークとソフトフォークの2種類がある
  • ハードフォークは暗号資産の分裂を伴う仕様変更で、元となる暗号資産と互換性がなくなる
  • ソフトフォークは暗号資産の分裂を伴わない仕様変更で、元となる暗号資産と互換性を持つ
  • ビットコインキャッシュは、ビットコインからのハードフォークによって誕生した暗号資産で、ビットコインとは全く別物の暗号資産である

以上、暗号資産初心者にもわかりやすいハードフォークとソフトフォークの違いと特徴についてでした。